誕生日といえば思い出す

毒父は元々洋菓子店で働いていた

そこをクビになってしまい

田舎に逃げたわけだ

だから記念日といえばケーキが必ずあった

社割とかあったんだろう

それすらも買えなかった家からしたら

何を贅沢なという感じだろうか

当時のケーキは今みたいに美味しくなく

生クリームやバターより

ショートニングや植物性油脂多様で

口にベタベタ残り

甘さだけが強調されていて

まずかった

それでも美味しいといいながら

笑いながら食べなければ

不機嫌になり殴られそうになる

でもそれをやると

普段育ててやってるのは自分なのにと

毒母は不機嫌になり

あとで罵倒される

きょうだいが生まれて

私は邪魔者になるまで

それが続いた

だからろくな思い出がない

友人関係からも

お祝い連絡が来ても

そこまで嬉しくないから

やんわりお断り傾向だ

きっと連絡欲しい人からもスルーされるだろうな

面倒なだけだし

一応バイトは休みにした

そんな日くらい誰からも鑑賞されず

穏やかに過ごしたい

ケーキを買うなら美味しいと思えるものを

誰にも気兼ねせず食べたい

無事越えられますように